お知らせ イベント 2022.09.13
つつじ・しゃくなげフェア2022 俳句募集「受賞作品」
山のホテルの「つつじ」を兼題に俳句を募集しました。
高浜虚子に俳句を学び、自らも「巨陶」の俳号で句集を出す程であった岩崎小彌太男爵にちなみ、恒例となった俳句を今年も募集し、全国各地からインターネットを通じてたくさんのご応募をいただきました。
選者に中原道夫氏を迎え、厳正な選考の結果、最優秀賞、優秀賞、佳作を発表いたします。五・七・五のリズムから、旅の想い出や、山のホテルから臨む美しいつつじの姿を思い浮かべてみてはいかがでしょうか。
最優秀賞受賞作品《一点》
【選評】「満開のツツジに時を預けた日」
考えてみれば、時間というものは常に自分のものである。他者に時間を割いてあげるなどという言い方をしても。掲句のように”時間を預ける”という言い方、総てあなたに任せるでツツジ最盛期がいかに見事であることが判る。
最優秀賞賞品 | 山のホテル ペア宿泊券 |
---|
優秀賞受賞作品《三点》
【選評】「アルバムの燃えるつつじや父若し」
これはアルバムに残る一枚の写真からの一句。燃えるような緋のつつじの中での記念写真。家族で撮ったものか写っている父が余りに若くて驚いている様子。何十年も昔のことが蘇る、つつじの色は今も変わらないのだけれど...
【選評】「マスク外しつつじの色を深く吸う」
コロナ禍でマスクをするのが普通のことになってしまったここ数年。庭園のつつじを愛でに来て、折角の匂いをとマスクを外す。そこまででは普通の句になってしまうのだが、視覚を嗅覚に取り込んで”色を吸う”としたことで格別な句になった。
【選評】「クレパスが足りぬ躑躅が燃えてゐる」
スケッチに来たよう。色とりどりのつつじに目は奪われているのだろう。この景を再現するには、十二色のクレパスでは無理と判断したか。燃えるような緋色の前に、つぶやいた”クレパスが足りぬ”が諦めみたいなおかしさがある。
優秀賞賞品 | 山のホテル ペアランチ券 |
---|
佳作受賞作品《十点》
佳作賞品 | 山のホテル オリジナル紅茶詰め合わせセット |
---|
受賞賞品について
選者 中原 道夫プロフィール
1974年 多摩美術大学卒業
1982年 句誌『沖』へ投句を始める
1984年 第12回沖新人賞受賞、同人となる
1990年 第一句集『蕩児』(富士見書房)により第13回俳人協会新人賞受賞
1994年 第二句集『顱頂』(角川書店)により第33回俳人協会賞受賞
1998年 俳句誌「銀化」主宰、2018年10月創刊 20周年を迎える
句集に「アルデンテ」「銀化」「歴草」「中原道夫俳句日記」「不覚」「巴芹」「中原道夫作品集成Ⅰ、Ⅱ」「天鼠(てんそ)」「百卉」「一夜劇」等。英訳 句集「蝶意」。
現在、新潟日報俳句欄選者、NHK-BS俳句王国選者、日本文藝家協会会員、俳人協会名誉会員などを務める。TV番組では、「今日の料理」「男の食彩」「新・日曜美術館」「俳句紀行五-七-五」「BS俳句吟行会」「BS俳句スペシャル列島横断市民俳句大会」(以上 NHK)、「タモリのジャングルTV」「ジャポニカ・ロゴス」NHK WORLD「HAIKU MASTERS」「NHKラジオ深夜便」など多数に出演。
ツツジを守ることがホテルの誇り。今年も爛漫と花を咲かせて。
雪や老齢のせいで枯れてしまったものを補うために補植が必要になることもあります。けれど、ツツジは環境が変わると、なかなか根づかず、しっかり根づくの は1割程度。しかも、樹齢70〜80年のものを万一枯らしてしまったら、元の姿に戻るまでに70〜80年かけなくてはなりません。男爵別邸時代から受け継 いだツツジを守ることはホテルの使命として、愛情をもって日々世話しています。