お知らせ イベント 2018.08.28
つつじ・しゃくなげフェア2018 俳句募集「受賞作品」
山のホテルの「つつじ」を兼題に俳句を募集しました。
高浜虚子に俳句を学び、自らも「巨陶」の俳号で句集を出す程であった岩崎小彌太男爵にちなみ、昨年もご好評でした俳句を今年も募集し、全国各地からハガキやインターネットを通じてたくさんのご応募をいただきました。
選者に中原道夫氏を迎え、厳正な選考の結果、最優秀賞、優秀賞、佳作を発表いたします。五・七・五のリズムから、旅の想い出や、山のホテルから臨む美しいつつじの姿を思い浮かべてみてはいかがでしょうか。
最優秀賞受賞作品《一点》
【選評】「連れ合いを忘れていたりつつじ園」
奥さんと旦那さん、どちらがどちらを忘れてしまったのか不明だが、余りにも“つつじ”が見事で、どんどん一人で巡ってしまい気が付けば一人。片割れの一人も、それはそれで自由に観られ、良かったかも。混み合うときは落ち合う場所を決めて、心ゆくまで逸れるのも、偶にはいい。
優秀賞受賞作品《三点》
【選評】「深緑を焼きつくさんとツツジかな」
新緑から深緑に変わる頃咲くツツジ。ほつほつと開き始めると、めらめらと一気に攻勢に転じて、花の部分を広げていく。あたかも焼き尽くさんとする勢い。まさにつつじはいのちを謳歌、合唱するかのよう。
【選評】「疎開の子躑躅の蜜を知り初めし」
戦時中、学童疎開で田舎へ。食糧も滞りがちだったのだろう、遊んでいるうちに山の子から躑躅の蜜を吸うことをおそわる。甘いものに飢え抜いた時代の思い出。ついでに恋も知り初めし?だったのかも。
【選評】「つつじ園母には母の順路あり」
迷路のような、つつじ園、母は混雑しているときの迂回路、抜け道を知っているのか、パッと消える。昔から何回となく来ているから、一人で楽しんで降りて来る。足腰が元気なうちに、また観に連れてこよう。
佳作受賞作品《十点》
選者 中原 道夫プロフィール
1974年 多摩美術大学卒業
1982年 句誌『沖』へ投句を始める
1984年 第12回沖新人賞受賞、同人となる
1990年 第一句集『蕩児』(富士見書房)により第13回俳人協会新人賞受賞
1994年 第二句集『顱頂』(角川書店)により第33回俳人協会賞受賞
1998年 俳句誌「銀化」主宰、2018年10月創刊 20周年を迎える
句集に「アルデンテ」「銀化」「歴草」「中原道夫俳句日記」「不覚」「巴芹」「中原道夫作品集成Ⅰ、Ⅱ」「天鼠(てんそ)」「百卉」「一夜劇」等。英訳 句集「蝶意」。
現在、新潟日報俳句欄選者、NHK-BS俳句王国選者、日本文藝家協会会員、俳人協会名誉会員などを務める。TV番組では、「今日の料理」「男の食彩」「新・日曜美術館」「俳句紀行五-七-五」「BS俳句吟行会」「BS俳句スペシャル列島横断市民俳句大会」(以上 NHK)、「タモリのジャングルTV」「ジャポニカ・ロゴス」など多数に出演。「NHKラジオ深夜便」NHK WORLD「HAIKU MASTERS」など。
ツツジを守ることがホテルの誇り。今年も爛漫と花を咲かせて。
雪や老齢のせいで枯れてしまったものを補うために補植が必要になることもあります。けれど、ツツジは環境が変わると、なかなか根づかず、しっかり根づくの は1割程度。しかも、樹齢70〜80年のものを万一枯らしてしまったら、元の姿に戻るまでに70〜80年かけなくてはなりません。男爵別邸時代から受け継 いだツツジを守ることはホテルの使命として、愛情をもって日々世話しています。